体育館の声を聞く。6月7日富士根南小学校体育館劇場
静岡県富士宮市にある富士根南小学校。
こちらは、グラウンドに出ると真ん前に、富士山が望めます。
6月ですが、富士山にはまだ雪が残っている姿が見られました。
梅雨に入ってはいないかもしれませんが、前日6日は曇り空で富士山を見ることはできませんでした。
そんな中の仕込みです。今回は遠藤さんが稽古の都合で、当日入りとなり、いつもと違う仕込みメンバーとなりました。
体育館を劇場に変える。
ぱれっとの仕込みは劇場の基本構造を作ることがメインです。
照明バトンを吊り、袖幕、文字幕を吊り、ワイヤーを張って開閉式の割幕を作る。
今回は緞帳も、持ち込みの黒幕で作ることになりました。
開閉式の幕は、注文の多い料理店で使う木の柄のついた紗幕と、その奥の大黒代わりの緑幕です。すべて真ん中から上下に開く形にします。
そのための仕掛け、綱元も作ります。
照明はホリゾント用のブルー、それから西洋館に、通常の明かりになるサスペンション。
それからシーリング。
それにステージスポット。
西洋館
ヤマネコ。
ベースになる明かりも劇場にある基本を作ります。
音響ももちろん全て持ち込みです。
なかなか手間のかかる作業なのです。
同時に体力とスピードも必要です。
なにしろ、少数精鋭なのです。
当日、朝、富士山を見ることができました。
でもそれから仕込みをしていると雨が降り出しました。
雨は体育館劇場にとってはなかなかやっかいな存在です。
雨音が激しいと、どうしても観客の集中力を奪ってしまうのです。
今回は通常と違って、「宮沢賢治の世界」が追加になりました。
「雨にも負けず」の朗読から司会が出て賢治のエピソードを紹介して童話集「注文の多い料理店」の序文を朗読して、セロ弾きのゴーシュへと続けていきます。
子どもたちは、司会の宇野さんと丸本さんのトークによく反応してくれて食いついてきてくれました。
セロ弾きのゴーシュ、注文の多い料理店ともに無事に公演することができました。
カーテンコールの後、手を振る子どもたちの元気な姿は、何かが伝わったことを教えてくれています。
大事にしたいことは、言葉では伝わらない、想いです。
体育館は子どもたちの生活の場でもあります。
その生活の場である体育館の声を聞いて、体育館と共に理想の劇場を、その日だけの劇場をつくるのです。
すべては想像力。
もちろん、その想像力を可能にする技術が必要です。
でもなにより想像力なのです。
先生から、「私自身が芝居に引き込まれました。」
と感想をいただきました。ありがとうございます。
富士宮に滞在した時間は僅かでしたが、とても素敵な町でした。
富士根南小学校体育館劇場
「宮沢賢治の世界」
雨にも負けず群読 佐瀬佳明 愛 遠藤絵梨
司会 宇野桃子 丸本育寿
「序文」朗読 佐瀬佳明
「セロ弾きのゴーシュ」
語り 遠藤絵梨
ゴーシュ 宇野桃子
楽長・たぬき 佐瀬佳明
ねこ・支配人 丸本育寿
カッコウ・子ネズミ 遠藤絵梨
ネズミ母 愛
「注文の多い料理店」
語り 宇野桃子
紳士A 丸本育寿
紳士B 佐瀬佳明
道具・全員
照明 日向かんな・中谷巴
音響 橋本ゆうた
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