宇都宮教育会館ホール作新学院小学部演劇鑑賞会

公演当日の朝。開場前の僅かな時間で照明を作っているところです。

16日の18:00から仕込み、17日8:50分開場。

9:15分から、挨拶があって、9:30頃に開演というタイムテーブルの公演でした。

前日16日東京を15時頃出発して宇都宮に向かいます。


移動は順調・・・・と思われましたが・・・・・


宇都宮に着くころにはどしゃ降りの雨・・・・・

雨と思っていたら雹まで降ってきました・・・

なかなか雹は珍しい・・・・

それでも宇都宮市内に入るころには雨もあがり、みんみんへ


宇都宮ということで餃子。

腹ごしらえして劇場へ。

今回の公演は体育館ではなくホールです。

それも大ホール。

間口15m

奥行き12m

高さ7.25m

なかなか大きい舞台です。


今回の照明仕込み図。

基本は学校公演と変わりませんが、バラシの時間のこともあり、ワイヤーの仕込みはしないで引き落としをすることにして、ゴーシュの家路についてるシーンは全て家パネルをはけることにしました。なので、家路の明かりも作ることにしました。

基本は夜なのですが、ネコの次、カッコウのシーンに繋がる家路は暮れる直前の夕方ということにしました。(一番最初の写真のシーンです。)

また、幕類は、プロセニアムアーチのふんどし部分と紗幕を桁釣りにして、後ろに引き落とし幕を用意。

今回、パネルを出しハケするために、3尺の高さの隠し幕を作ることにしました。

そのために人形も準備してきています。

空間を狭く感じさせず、それでいて役者に集中できるように、照明のエリアはいっぱいまでは広げないで自然になるように。

間口が8間なのですが袖幕をせめて、7間になるようにしました。

中割も7間よりもう少しせめました。

最初、ドアを中割の奥に置くつもりでした。

でも実際に置いてみると、やはり奥過ぎる感じです。

それで、袖幕と中割との間にすることにしました。

そこでドアの支柱に黒幕をつけ斜めにデザインになるようにしました。

これは見切れを隠すためです。


バタバタとしたシュートの様子。

宇野さんが調光室から撮影してくれました。


新たにネタを作りました。

ソースフォは持ち込みです。


バックから朝日が差し込んでくるというイメージのための照明のシュートをしているところです。


前日の作業は照明シュートと道具で終わってしまいました・・・・・

本来なら照明の明かりづくりまでは行きたかった・・・・

もはや本番ぶっつけに近い状態となりました。

照明プランを考えた自分としては、やはり明かりを作って前から確認をしたかった。

プランがあっても、希望する明かりになりことは難しいのです。

これまで、自分の理想とする明かりを出してくれた照明屋さんは残念ながらいません。

調光というのはほんとこだわると難しいのです・・・・・

かなり課題の残る前日となりました。

宿に帰り打ち合わせ。前説の稽古。不安なところの稽古。照明の打ち合わせ・・・・

なんだかんだと夜更けとなりました。

朝。4時に目が覚めました。

ドアを中割の前に持ってきたことで、振り落としの必要がなくなっていたことに突然きづいたのです。そのショックで目が覚めました。

しまった無駄な時間をかけてしまった・・・・・

そして小屋入り・・・・・

8:30に小屋入りだったのですが、ホールの入り口にはすでに観客が・・・・・・

駐車場へは観客の車が続々と入っています・・・・

まだやり残したことが山ほどあるのに・・・・・

心中はおだやかではありません。

いい舞台を見せたい。そのためにできる限りのことをしたい・・・・・

開場するまで20分。その間にマイクチェックをして照明を直し、少し作り、確認し・・・・

開場。

開場する時には、緞帳は使わずに暗転幕を降ろしました。

プロセニアムアーチの絵を見せられるようにして雰囲気をなるべく会場に入ったときから感じてもらうためです。

残念ながら暗転幕は割幕にはならない、ほんとうに暗転幕としか使えない幕でした・・・・

なのでいつものように真ん中から前説の二人が顔を出すことはできませんでした。

ネタは紫陽花の花からでんでんむしの話。かたつむりの冬眠についての三択式でお話。

いや作新学院小学部、優秀です。

なんとか幕があがりました。

幕が開いてみると客席は思ったほど遠くなく、とても近く、台詞も非常に喋りやすい。

やっぱりホールですね。

観客は千人くらいでしたが、非常にやりやすかったです。

ああ、ホールっていいもんだ。

子供たちは笑うところは笑い集中する所は集中していました。

理解力の高さも肌で感じられます。

注文の多い料理店では、下手のドアを開けて裏に回り中割の裏を上手に移動するのですが、その距離が長く、全力疾走して音の終わりになんとか間に合うといった具合でした。

これにはさすがに参りました。

しかも優秀な子供たちは裏を必死に走っていることに気づいたらしく、

「間に合った」

とか

「がんばれ」

とか掛け声がかかる始末。

でもよく見てよく笑ってくれました。

注文では客席におりましてが、もう照明の範囲なんて関係なく、河本さんは、客席の奥まで走ってくれました。

照明の奥宮さんは苦虫を潰していたかもしれませんが、見える見えないより、触れ合う、触れ合わないということの方が大事なのです。

ライブです。生命感が大事なのです。

みんなよく頑張ってくれました。

先生からは近年まれにみるいい舞台だったとの感想をいただきました。

芝居は無事に終わりましてが、退館時間は12時まで。

カーテンコールが終わって、緞帳の前で先生と保護者からの挨拶などがありましたがそこには宇野さん、河本さんに出てもらい、裏は必死のバラシです。

なにしろ時間がありません・・・・・

積み込みはあとで、とにかく外に出す・・・・

幕だってなんだって外に出す・・・・・

なんとか時間に外に出すことができました・・・・・



積み込み・・・・


ここまできてやっと余裕が生まれました・・・・・

今回は仕込みの段取りで人の配置に失敗がありました。

反省です。

でも公演自体はなんとか無事に終えることができました。

演出としてはやはり不満が残ってしまいます。

どんなにその場が上手く行っていても、いや、そこは違う、ここは違う、と気になってしまうものです・・・・こればかりは本当に終わりがないものです。

たとえよく行ったときだって反省してなおかつうまくいったことを追いかけないようにしていかなければならないものです。

反省したら忘れる。そしてまた新しく作る気持ちで向き合うのです。

舞台の写真もビデオも撮れなかった、ほんとうに駆け足の公演となりました。


セロ弾きのゴーシュ・注文の多い料理店、宇都宮教育会館ホール公演

お姉さん   宇野桃子、河本愛弓、鈴井永遠

1幕「セロ弾きのゴーシュ」

ゴーシュ  宇野桃子

語り    河本愛弓

声   楽長・佐瀬佳明 ネコ・河本愛弓 カッコウ・鈴井永遠 タヌキ・スズキ 

    ネズミ母・妹尾江身子 子ネズミ・河本愛弓 支配人・河本愛弓 楽員・鈴井永遠

2幕「注文の多い料理店」

紳士A  河本愛弓

紳士B  佐瀬佳明

語り  宇野桃子

案内人 宇野桃子


照明  奥宮康裕

音響  ゆうた

大道具 スズキ、妹尾江身子


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