稽古です。
毎週金曜日は稽古日です。
13時から21時半まで。
長いようですが、結構短いです。
今は新作ではなく返し稽古をしています。
ひとつひとつの動きを確認しながら、演じている人物の心象について考えます。
また、その動作がどのように見えているのかを理解しながら、その行動について改めて考える作業です。
また、「ふり」をしていないかを考えます。
役を理解し考え、行動に移すとき、そのあるべき心にそって行動すればいいのですが、ついつい余計な説明をしてしまいがちです。
芝居とは面倒なもので、余計な動きをすれば、それは嘘だといわれ、全く動かなければ、それでは見えないなどと言われたりするものです。
その役の人物であればいいのですが、それにしても、それが相手に見えなければなりません。しっかりと役の人物の心のゆれを見つけ出し、それを表現していく。
その時にへたな芝居はいらないのです。
その上でいかに見せるのかという技術が必要になるのです。
また、感情はどこへ持っていくのかもまた、考えるところです。
そうやって少しでも、先に進めるように稽古を積み重ねています。
同時に今、その役の心象を考えていく上で、今の社会とどのように関わっているのかも考えます。それは、人が社会的な動物であり、どんなに一人で生きているつもりであっても社会から切り離して考えることが難しいからです。
そして、演劇は観客と共に作り出すものだと考えているからです。
それは、観客の日常での社会との関わりもまた芝居を見る見方に影響を与えているからです。僕たちは、今の社会の現実を見つめ、考える作業もまた稽古に必要なことだと考えているのです。ドラマの中にある現在を考える。お話がどんな時代のものであれ、今の自分たちと、観客と繋がっていることをどこかで意識できるように、勿論、そのことを声に出すわけではありません。心の底にしっかりと持つために、考えるのです。
出会った役の人物といつまでも向かい合い、寄り添っていく、そんな生き方をする、そのための稽古場です。
終わり良ければ総て良しという言葉がありますが、生きている間に作品との関わりにおしまいはこないのかもしれません。
まだまだ稽古は続きます。
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